【ダウンロードできるもの】

支援プラン、 掲示物、 ふりかえり用紙、 
1.インタビューカード  2.かもつれっしゃ(Flashビデオ)
 *flashビデオは、右クリック→対象をファイルに保存 を選択してください。再生するにはReal Playerが必要です。

【ねらい】 進路選択
 3年間通して行ってきた「人間関係プログラム」の最後である。今まで行ってきたプログラムの集大成として、今の「自分」を客観的に見つめ、長所・短所をあるがままに受け止める。そして、その上で将来への夢や希望を前向きに語り、仲間の話を聴くことで共有していく。今の自分を素のまま開示することができれば、成長へのプロセスを歩むことが可能になる。


【概要】
 準備編は、プレゼンテーションの準備のために、自分を見つめ直す時間である。そのためにクラスの仲間へインタビューを行うが、そこでどのように自分のことを聴き出すか、また仲間について語ることができるか、本音で話ができるような雰囲気づくりが鍵となる。

 発表編は、準備した内容を友達の助言を元に修正したり、自分らしさを出したりしながらプレゼンテーションを行う。三年間の集大成として、自己開示の心地よさとともに、自分と周りの成長を感じ取ることができるよう支援を行う。
 三年間の最終プログラムということもあり、時間をゆったりととって自己開示の時間を保障したい。2時間設定できる場合は、実施日を分けてプレゼンテーション作成に余裕を持たせる。1日で実施する場合でも、時間延長可能な時間設定が必要である。また、その場合は発表編のウォーミングアップは省略することになる。

【ポイント】
 「自分ってこんな人」ということを改めて見つめるところから始まる。そのためにクラスメートへインタビューを行う。また、以前のエクササイズで使用した、「自分の短所をクラスメートに、長所へ言い換えてもらった」(リフレーミングで短所を長所に p109)ワークシート、「自分の一日を振り返った」(My24hours p101)ワークシートも参考にして、長所も短所も含めた「ありのままの今の自分」を確認し受け容れる。その上で将来への希望や夢を語る。つまり、最後の「人間関係プログラム」において、今の自己を肯定的に受け止め、将来への展望を持つ。そして、そういう自分を学級で自己開示することで困難を乗り越える力を得ていくのである。


【子どもの気づき】
準備編
・質問したときにすぐに答えてくれたので、よく見てくれてるなと思ってうれしかった。しっかり自分がわかる時間があることは、すごくいいなって思った。
・自分のことを伝えるのが苦手なので、これを機会に克服したい。自分の弱点をよくわかってくれているなと思った。これからの人生につながる授業だった。

発表編
・みんなが真剣に考えて、思っていることをみんなで共有できたので夢がある人はその夢を、まだない人も高校受験をみんなでサポートして、応援してあげられるクラスになるといい。そんなクラスにしたい。
・みんな自分と向き合ってプレゼンをしていて、聞いてて面白い人もいたし、感動した。この時間は良かったなと思った。
・自分の夢を口に出すことが少ないから、新鮮な感じがしました。みんなの夢も聞くことができて良かったです。


【教員からのコメント】
準備編
 活動全体を通して、いつものクラスの雰囲気でできたと思う。そのきっかけが、ウォーミングアップの「じゃんけん列車」だった。生徒から,「男女混合でやって、めっちゃおもしろかった。」「列ができて改めて、クラスのみんなが仲がいいんだなと思った。」など、思い思いの感想があった。続くインタビューも、そのままの和やかな雰囲気で行えた。クラスの中には、日頃から自分からなかなか話しかけていけない生徒もいるが、そういった生徒にも、どんどんインタビューしていく雰囲気がクラス全体で見られたことはとても嬉しかった。セルフプレゼンの準備では、目的や方法などをきちんと押さえることに留意したが、教師がモデリングとしてセルフプレゼンを行ったことで、生徒はイメージを持ちやすくなったように思う。

発表編
行事も終わり、進路に向かっていく3年生のこの時期にピッタリのプログラムでした。本番のプレゼンテーション自体もいい時間になりましたが、それまでの準備期間が、自分を見つめ直すいい時間になったようです。「言うことなんてない。」と言っていた生徒が、だんだん自分の気持ちに迫っていく様子は、見ている私にとっても良い経験になりました。自分には夢があり、それと同じように隣の人にも夢があることに気づくことができた時間でした。そして他の人にも夢があるのだから、応援したいという空気が生まれました。合唱コンクールで思うような結果が出ず、男女の仲もギクシャクした時期でしたが、このプレゼンを通して、お互いを応援する雰囲気ができてきました。また、「こころ?ほっとタイム」に助けられた気がします。
中学校3学年第8時「セルフプレゼンテーション」 進路選択 (一太郎Version)

 いよいよ、24時間の最終プログラムです。この授業は、松江市立第一中学校の先生方がオリジナルとして作成をしました。先生方にとっても、この三年間のプログラムの集大成という気持ちで取り組んでいただいたと思います。「ジャンケン列車」や「インタビューゲーム」からはじまるのですが、「インタビューゲーム」では、普通は「いいところ探し」をするのですが、この授業では「短所」も聴き出していきます。学級や学年の成熟度が高まっていくと、「短所」もズバッとしてきできるし、その指摘を受けとめる力もついています。「長所も短所も自分自身」という受け容れ方ができるようになってきます。このプロセスを経て、自分自身の将来や夢のことをプレゼンテーションにしてあらわし、シェアしていきます。「すごろくトーキング」でいえば、最後の部分の深い自己開示を全員で共有することになるのです。1年生の頃は自己開示が苦手だった一部の子どもも、シェアを積み重ねてきたことにより、自分なりの成長を遂げてきました。不安や恐怖でつながるのではなく、「信頼」でつながっていく・・素晴らしいことです。
 この授業は最終のプログラムであることもあり、2コマ確保してじっくりと取り組みたいものです。できれば、1日あけてプレゼンを作成する余裕を保障できればさらにいいプレゼンができあがります。時間が確保できないときは、午後からの2コマを使うか、1コマ+終わりのHRくらいの時間を確保して余裕をもって取り組みたいものです。
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