【ダウンロードできるもの】

支援プラン、 掲示物、 ふりかえり用紙、 
1.授業の流れ
2.授業フリップ
3.ワークシート
4.100マス計算(エクセル)
*2019.7.28 ワークシートを更新しました。

【ねらい】 ストレスマネジメント
 ストレスのしくみを体験を通じて理解し、好ましいコーピング(対処)への理解を深める。


【概要】
 100マス計算をやると信じ込ませ、実は・・「はじめません」。こんな刺激的な始まりなのだが、感情を起こすための手段である。起こった感情をもとに、ストレスのしくみを解説する。

【ポイント】
 結果的に子どもたちをだますことになるので、教員と子どもとの信頼関係が大切である。関係性が厳しい状態であれば、『100マス計算』を避けてストレスのしくみの図を解説するということでも可能であるが、気づきレベルは大きく後退する。コーピングの交流(ワークシート)をしっかりと行うことで、子どもたちの気づきを深めていきたい。


【子どもの気づき】
・「100マス計算をする」と言われた時は「めんどくさい」とか「やりたくない」とか思っていたけど、やらないと言われた時は「やったー!」という思いでした。
・ストレスはたまったら対処することができて、ずっとため続けないようにすることができるんだなと思いました。
・ちょっとしたことでも人それぞれ違ってストレスだと感じる人もいた。みんな違う対処法で参考にできる部分がありました。


【教員からのコメント】
・ストレスのしくみをいかにわかりやすく伝えるために、身近な具体例をとりあげたり、イラストを準備したりしました。ただ、「100マス計算」であの手この手でストレスをかけたので、その後の解説は実感として理解できたようです。グループの交流は、それぞれが抱えているストレスや対処法を知り、お互いの理解が深まるとともに自分自身をふりかえるよいきっかけになりました。ふりかえり用紙の数値は、「自分の生活に関係している」という項目が高く、今後に役立つ内容だったことがうかがわれます。

【参考】
「ストレスマネジメント・テキスト」 ストレスマネジメント教育実践研究会(PGS) 東山書房

 ストレスマネジメント教育の草分け的な書籍です。リラクゼーションから認知の理解に至るまで、ストレスマネジメントを学校で教える立場で総合的に解説してくれています。

 この授業についても、松原第四中学校にて実践していただいた指導案を紹介しておきます。
 大阪府松原市立松原第四中学校 ストレスの流れ 指導案
(Word)

中学校1学年第7時「ストレスの流れ」 ストレスマネジメント(一太郎Version)

 この授業では、ストレスの流れを理解することで、ストレスに対処(コーピング)することの重要性に気づいていきます。ストレスへの対処は大きく分けて二つになります。ひとつは、リラクゼーションや呼吸法などのフィジカル的なものです。もう一つは、ストレスの流れを理解することで思考の枠組みをプラスに変更する認知的なものです。小学校の低学年や中学年の子どもは、認知的な理解に困難性がありますので、フィジカル的なものが主となります。小学校の高学年以上は認知的なアプローチとフィジカル的なものを組み合わせていけばより効果的なものとなりでしょう。このプログラムでは、ストレスの流れを理解し、認知的なコーピングの大切さに気づいた上で、アサーション(ストレスを軽減するコミュニケーション)へつないでいく流れとなっています。ストレスに対処(コーピング)する力は、感情を対処(コーピング)する力のもととなります。感情に対処する力をつければ、自分自身の行動ばかりでなく、他者との良好なコミュニケーションを構成し、ものごとがうまく進んでいくことになります。つまり、ストレス対処とは人間力の基本となる自己管理力のベースであるということです。
 ストレスの種類を「良いストレス」「悪いストレス」に分類する考え方が一般的ですが、このプログラムでは「悪いストレス」のみをストレスとして扱っています。詳しくは書籍のテーマ解説で展開していますので参照して下さい。ちなみに、良い思考方法への転換として「リフレーミング」(3学年)につなげています。
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