中学校1学年第4時「アニメの村」 コミュニケーション基礎 (一太郎Version)

 情報カード系のエクササイズです。グループでの活動を通じて、断片的で切り離された情報を一つひとつつないでいき、真実に到達するという課題が与えられます。活動の中でグループで起こっていること、これを大切にしていきます。どのように情報をまとめていくのか、誰がどんな役割を果たしているのか、困ったときにどのような解決を行うのか、等々、観察のしどころ満載の授業になります。「情報カードを他者に見せてはいけない」「情報を丸写しして一覧表にしてはいけない」というルールの中で、グループの人数が多ければ多いほど困難性が増していくのです。授業の入りであるウォーミングアップは、キャラクター紹介から始まります。「フルネームを知ってますか?」「いつマンガの連載が始まったか知ってますか? テレビアニメはいつ始まったか知ってますか?」等々の質問をしながら紹介していきますが、子どもたちのほとんどが知っているキャラクターですので、場は非常に盛り上がります。課題設定は、見知らぬ「???」から依頼を受けた、というミッションがいいでしょう。先生方の人数に余裕があれば、衣装をつけて「アニメの神様」だったり、「アニメのプロダクションの社長」だったりすると面白いです。何十年もアニメのキャラクターとして働いてきた登場人物たちが、第二の人生をもとめてつくった「アニメの村」。彼らを連れ戻すために必要な基本情報、「家の位置」「現在の仕事」「飼っているペット」をグループの協力で見つけ出すのです。作業完了後は、解答を配布するのではなくて、みんなで真実を確認していく(答え合わせをしていく)とよいでしょう。
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【ダウンロードできるもの】

支援プラン、 掲示物、 ふりかえり用紙、 
1.指示書
2.情報カード
3.地図、解答
4.表札
5.家の
6.キャラクター解説(資料)
7.ルールフリップ
8.画像

【ねらい】 コミュニケーション基礎
 バラバラに切り離された情報を、グループの中で一つのものにしていくことで、正しい解答を得ていく。この作業を通じて、情報を交換し総合的に考えるということの大切さやグループの力というものに気づいていく。


【概要】
 磯野カツオ、野比のび太、両津勘吉、さくらももこ、江戸川コナンの5人は、この何十年間アニメキャラとして頑張ってきた。仕事に疲れ切った5人は人里離れた田舎に移り住み、静かな生活を始めた。これが「アニメの村」である。困ったのはアニメファンである。そこで、指令が下される。この5人をアニメの世界へ連れ戻すため、それぞれの家の位置、職業、飼っているペットを調べてほしい、という内容だ。与えられた情報カードに書かれた情報をもとに、班全員が協力して、全体像に到達するのだ。ただし、「情報カードを他人に見せてはいけない」「情報内容をメモ用紙に丸写ししてはいけな」というルールが与えられた。果たして制限時間15分の間に、グループの力を生かせて真実にたどり着けるのだろうか!?

【ポイント】
 班で協力する授業なので、班での仕事分担等がカギとなってくる。自発的に、班で仕事分担ができることが望ましい。指示書を班のメンバーに見えないようにというルールの徹底さえすれば、班の中での情報交換が自然と工夫されてくる。メンバーの話をしっかり聴き、自分の情報を正確に伝えるというプロセスが大切であることを考えさせたい。正解は準備はしておくが、全員で答え合わせができるほうが望ましい。


【子どもの気づき】
・一人ずつ情報を言っていき、それをつなげるのが楽しかったです。
・話す人も聞く人も、「伝えよう!聞こう!」と思っていると、スムーズに話が進められるということがわかった。
・改めて、自分がもっている情報を相手にいち早く伝えないと困ることがわかった。生活でも伝え合ったり聞いたりするのは大事だと思った。 
・こういう協力性は、これからの生活で必ず必要なので、それを知ることが出来てよかったです。


【教員からのコメント】
・アニメの主人公やその関係についてのやりとりは雰囲気作りに良かったです。「学級への指示書」を届けるのに衣装を着て届けてもらったことでたいへん盛り上がり、その後の活動につながりました。情報交換の場面では、メモを書く人を決めたり進んでその役を買って出たりする姿が見られ、お互いが自由に情報を伝え合うことができていていいなと思いました。子どもたちの活動はグループによって少し差が出ましたが、参加できないという生徒がおらず、学級全体が良い時間を共有できていました。



【参考】
情報カード系の授業が十八番であるGWT(グループワークトレーニング)のものを参考にしています。GWTの書籍は遊戯社という出版社から出ているのですが、現場では人気があり、なかなか入手しづらい書籍になってます。わたくしは5冊ほど持っていますが、手に入れるのに苦労しました。皆さん大事にされているのか中古本市場にもほどんど出回っていません。ところが、最近、図書文化社から遊戯社の書籍が販売されていることを知りました。以下のリンクで紹介しておきます。

「改訂 学校グループワーク・トレーニング」遊戯社
「続 学校グループワーク・トレーニング」遊戯社
「学校グループワーク・トレーニング 3」遊戯社
「学校グループワーク・トレーニング 4」遊戯社